石音インストラクターブログ

2015/07/20

囲碁, 長谷俊インストラクター

長谷インのグローバル囲碁旅行記 台湾編その1

皆さんこんにちは。

囲碁高段者、その他級位者の長谷インです。
今回は台湾武者修行(半強制イベント)に行って参りました。
初めての海外旅行を何の準備もなしに完全個人旅行で行ってしまうのは果たして勇敢なのか、
はたまた無謀なのか。短編5回に分けて皆さんにお届けしたいと思います。

「初日、機内食は未来への暗示」

そもそもなぜ今回台湾へ旅立つことになったのか、その経緯を軽く説明しておきましょう。
基本的に人見知りで方向音痴なので、好んで旅行に行くことはありません。
これまでも友達と何度か囲碁旅行に行ったくらいで、一人でどこかへ行こうというのは
あまり気が進みません。

事の発端は石音の打ち合わせのときでした。

ベトナム帰りの根本さん(席亭)「そういえば長谷君は海外旅行は行ったことある?」
長谷イン「(興味)ありません。」
根本さん「どこか行こうと思わないの?」
長谷イン「グーグルアースで十分なので。」

まあ、この後の展開は語るに及ばずで、だいたい若輩者がこういう発言をすると決まって
火に油を注ぐことになるんですね。

(30分後)
根本さん「じゃあ石音で旅行費を毎月天引きして積み立てるから半年~一年以内に
行ってくるように。」
根本さん「行かなくても良いけど、その場合は積立金を石音で有効に使わせてもらうから。」

まあ、おおよそこんな感じでした。
その場の雰囲気とかいろいろ割愛していますが、とにかく半強制イベントで海外旅行が
決まってしまったんですね。

そもそも一人で海外に行ってテロとか拉致に巻き込まれたらどうするんだと言うと、
だったら一番行きやすい台湾にしたら、とのことで台湾行きが成り行き決定した次第です。

自分にとっては旅行自体あまり興味がないので、準備はぐだぐだでした。
打ち合わせのたびに準備できてるか聞かれるので、仕方なくパスポートを取り、
さらにチケットを予約するころにはきっかけから半年以上過ぎていました。

旅行は行く前にウキウキしているのが一番楽しいと言いますが、全然乗り気がしないので
「囲碁取材」という名目を自分に課してやっと重い腰を上げることになりました。

さて、当日までの準備ですが、チケットは一か月前に予約してLCCで往復2万7千円、
宿も一週間前に予約して一泊1200円の4泊5日です。このときのモチベーションは
とにかく安く済ませて、囲碁取材だけして来ようという気持ちです。

一応ネットの事前調査は軽くしましたが、「Taipei Free」という無料の公衆Wifiの
事前登録だけであとは取材先の住所をグーグルマップで確認したくらいです。

最初こそ海外は危険だと思っていましたが、調べるうちに台湾くらい楽勝で行ける、
むしろ全然修行イベントにならないじゃないか、と考えるようになっていました。

まあそもそもが無知なわけで、動画で台湾に日本のフランチャイズ店があることに
まず驚いて、もう少し田舎のようなイメージをしていたのですが、
そんなこともない様子でした。

出発前日にはもう行った気になっていましたね。

まさか極限まで追い詰められることになるとは、この時点では想像もしていませんでした。

前日は段級位認定大会だったので、皆さんにはお酒の席で散々嘯いていましたね。
何も事件が起こらなかったら話のタネに女の子に声をかけてくる、とか言うくらいの
余裕っぷりでした。

当日は飛行機に乗り遅れて寅さんになるのだけは避けようと、14時半の出発予定なのに
あまり寝れませんでした。とにかく怖かったのは出入国で、向こうに行けばどうとでも
なると考えていました。

朝になってやっと荷物をまとめましたが、着替えとタオルとノートPCくらいで
田舎(鹿児島)に帰るのと同程度の装備です。ノートPCに関しては向こうで使えたら何かと
便利と思って持って行きましたが、なかったらかなり危なかったです。そもそも一番準備
せずに後悔したことはポケットWi-Fiを契約して持っていかなかったことです。
着替えとタオルとPCくらいしか準備していないつもりでしたが、自分には「迷子機能」が
標準装備されていることをすっかり軽視していました。

この呪いのような迷子機能のおかげで散々な思いをすることになります。
今となっては事前の調査と準備をしっかりやって、その上で常にネットと繋がれる環境を
用意しておくんだったと反省しています。

しかし、今回は長谷インの修行イベントというコンセプトなので、「ほぼ無計画で行く」
という計画を立てていたんです。
宿も決めずに何も調べずに行こうかと本気で思っていましたが、さすがに現地でうろうろ
歩いて迷子になったら時間が勿体ないかなと考えて最低限の準備はしました。
今思えば、それすらやってなかったら普通に野垂れ死んでいましたね。

無計画を計画する、というただの無謀な挑戦をしていることに全然気づかなかったわけです。
基本的に何とかなるさの楽観主義者ですが、それは日本だから通用する話で言葉の通じない
海外ではどんな目に合うかという話です。

初日は昼に出発だったので、向こうに着くのは夜頃になりました。
出入国に関しては特に問題はありませんでした。
関税のところはどうするんだろうと思いましたが、関係ないのでそのまま抜けました。
eチケットだとかパスポートだとか初めてのことで不安でしたが、ここら辺はまあ
何とかなりますね。

成田空港まで二時間、二時間前に到着してフライトは三時間予定ととにかく時間か
かるなぁと思いながら無事にチャイナエアラインの機内に入りました。ラッキーなことに
ほかのお客さんと隣り合わせにならなかったので、割と快適でした。

(途中で席を移動してきた家族連れの台湾人っぽいおじさんが鬱陶しいと思いましたが、
降りる頃にはただの親切なおじさんだったので良かったです。)

機内では暇すぎてモニターのゲームやったり、映画見たりしましたが、英語とか中国語
ばかりでまともに日本語で面白そうなものは見つかりませんでした。しょうがないので
英語版(中国語字幕)のアナと雪の女王を観ましたが、あれは普通に面白かったです。

一時期テレビで耳にタコができるほど主題歌が流れていて敬遠していましたが、
ミュージカル調で展開していくシーンには心踊らされました。中国語はもちろん英語も
ほとんど分かりませんが、アニメーションはキャラクターの動きで意図することが
雄弁に伝わりますね。

そうこうしているうちに機内食が運ばれてきました。機内食には結構憧れていて、
鹿児島に帰省するときなんかアップルかオレンジジュースの選択肢しかありません。
一番驚いたのは飲み物にお酒もあるということです。当然「アップルorオレンジ?」
とか思っていたらワインやビールの選択肢もあるんですね。
台湾製のビールにしましたが、ビールは日本のほうがおいしいです。
それ以前に乗り物酔いしやすいので、ビール飲んだら少し気分が悪くなりました。

よく聞く「ビーフorチキン?」が来るかと思って待ち構えていたら「チキンorブタ?」
と聞かれてちょっとびっくり。
そこはポークじゃないんだ、と心の中でツッコミ入れながら、「え~と、ブタで」と
こちらを選択しました。

まさかこの「選択肢」がこの先の未来を暗示しているとは、このときは夢にも
思いませんでした。

そしてブタを選択したのも定められた運命だったのかもしれません、あるいは潜在意識が
選んでしまったのか。
いずれにしてもパクパクのんきに食べている場合ではなかったでしょう。

ちなみにこの機内食は旅行中に食べた中でベスト3に入る味だったことは、
もちろんこの時点では知る由もありません。

と、まあ何だかんだで台湾に無事到着しました。

入国カードを一人だけ書いていなかったようで、「ナンバー、ナンバー!?」と
捲し立てられてちょっと困りましたが、ここも難なく切り抜けました。

もうこの着いた直後は「あっけなかったな、あとは適当に取材して終わりだな」
くらいの余裕の気持ちでしたね。

そう思った矢先、10分後には現実を思い知ることになりますが、
それはまた次回にしましょう。

~台湾編その2~「到着後~二日目、ひとならざる者」に続きます。
乞うご期待ください。

 

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