根本席亭ブログ 500人の笑顔を支える、ネット碁席亭日記 囲碁の上達方法やイベント情報など、日々の出来事を発信していきます。

2018/04/30

絵になる風景


僕が感じたこの感動は、それを僕が表現しなければ

ほかの誰も感じることができないのです。



片岡鶴太郎の言葉を思い出した。



彼は40歳近くで初めて筆を握ったそうだが、

きっかけは牡丹の美しさに魅せられたからだという。



GW初日、根津美術館で尾形光琳の『燕子花図屏風』に会った。



300年前に光琳が何を感じたのか、背景をいっさいはぶいた

迫力ある大きな屏風を通じて伝わってきた。



毎年この期間に公開しているのには理由がありそうだ。

美術館の広い庭の一角で燕子花が見ごろを迎えていた。



この燕子花を描いたのか。一瞬そう思わせる力がある、

文字通り「絵になる風景」だった。




10301_2_1[1]

IMG_7895



阿佐ヶ谷の商店街を散歩していると

ふと目に留まったものがあった。



『たいやきの開き』



?!



意味が一瞬わからなかった。



開いてどうするんだ~。

頭の中でつっこみの声がひびく。



たいやきの皮がすきなあなたへ。



その言葉ですこし納得した。

たしかにけっこう好きかもしれない。

ただ、ちょっとかわいそうになってしまった。



いきものじゃないのに。


IMG_77


2018/03/14

経年進化


ハウスメーカーの人から日々、気密性、断熱性、遮音性といった

普段耳にしない言葉で営業をされている。



気づくと「性能」で家を比べ始める自分がいる。

あぶない。あぶない。



20年前、いや、10年前と比べても、見たことのない機能が

登場しているので
目がひかれる。



だがそれは、10年後、20年後も、

また新しい機能が登場するということだ。



いま最新であるものに目を奪われるのは、

将来新たに登場するものが羨ましくなるということだ。



そんな繰り返しの輪の中には入りたくない。



いつまでたっても古くならないもの。

いや、古くなっても、それがむしろ嬉しくなるようなもの。



経年劣化する「性能」ではなく、

経年進化する「質」に目をむけて選びたい。


2018/03/05

tea or coffee?


「美味しいコーヒーで素敵なティータイムを」



中野駅前の看板にふと目がとまった。



そうか。コーヒーよりティーのほうが守備範囲が広いのか。



「美味しいティーで素敵なコーヒータイムを」

にはならなさそうだ。



たしかに「お茶しない?」といって

本当にお茶を頼む人はあまりいない。


お茶やティーという言葉は、固有から一般までをカバーしている。



では本当にティー>コーヒーなのか。

コーヒー派の僕は、もう少し考えてみた。



「コーヒーブレイク」という言葉がある。



ティータイムと同じように使われることもあるが、

その意味での登場頻度はティーよりすくない。



だが、飲み物や喫茶から離れて、「ちょっとひといき」といった

エッセイやコラムの名称にも使われるときは


俄然コーヒーに軍配があがる。



生活における守備範囲の広さでいえば、

ティーとコーヒーは互角。



というのが、

今日のティータイムで出した

コーヒーブレイクな結論だ。


2018/02/27

時のごちそう


『坐忘』:静坐し現前の世界を忘れる。



一昨日訪れた笛吹川沿いの宿は、仏教用語から素敵な名前をつけていた。

心地よい和の設えで至福のひとときを楽しんだ。



広いラウンジが素晴らしかったな。

朝食が美味しかったな。

いい湯だったな。



いまも余韻が残る。



だがこれらは時とともに薄れていくだろう。

ほかの宿の記憶に上書きされることもあるだろう。



いっぽう、義理の両親に予想以上に喜んでもらえたことは、

時とともに記憶が濃くなっていく
予感がする。



「時のごちそう」



とはこういうことなのかもしれない。


2018/02/25

絵の力


今日は短時間ながら久しぶりに絵と向き合う時間があった。



山梨の笛吹川温泉に義理の両親と一緒に来ている。

途中山梨県立美術館に立ち寄った。



ミレーの『種をまく人』



少し薄暗い背景の中で、農夫が種をまいている。

それだけの絵なのだが、なぜこれが彼の代表作なのか

少し感じることができた。



収穫という未来に向かう力強さがある。

未来に向けて種をまいている。

その絵の前に立っていると、自然と元気になる。



絵の力を感じるひと時を楽しんだ。




abcf85960208270cab01f6265f46b254[1]


2018/02/23

数字好き?


ねもちゃんさぁ、数字好きだよね~。



昨年京都で久しぶりにあった8歳年下の後輩から言われた。

数字好きかどうかはわからないが、たしかに毎日数字と親しんでいる。



ぱっといま何時何分かをあてる。

レジで会計中に金額をあてる。



毎回ゲーム感覚でひとり楽しんでいる。



最近、いままで縁のなかった数字に気をうばわれている。

ご存じ「坪単価」だ。



建物価格を広さで割った数字で、

住宅メーカーを横並びで比較する目安ながら、

定義がバラバラなのが面白い。



広さが屋根のあるところの総面積、つまり延床面積なのか、

バルコニーなどを含んだ延床面積なのか。

坪単価にキッチンやお風呂などの設備を含むのか。



各社が自社に有利な部分だけを切り取ってアピールしてくる。

こちらも真実を見抜く目を
持たないと太刀打ちできない。



さらに、同じ広さ、たとえば36㎡に同じ素材も使っていても、

坪単価がちがう
場合がある。その建物が6m×6mか、4m×9mかで

壁の長さが2m違うからだ。




こんなことをブログに書いているから「数字好き」と言われるのかもしれない。



と、いま気がついた。


2018/02/21

プリンの法則


昨晩は中高の同級生5人が集まり、

久しぶりに日付がかわっても飲み続ける夜となった。



36年前にスタートした中高6年間は、

7時間ちかく話続けても少しも退屈しない力をもっていた。



今年48歳を迎える僕らにとって、一緒に過ごした濃い6年と

別々の42年は、
いま丁度良いバランスになっている。



プリンに例えれば、6年がカラメルで42年が黄身の部分。

まぜて食べるとほかでは味わえない絶妙な味になる。




最近知り合った友人や、20年以上交流が続く会社の元同僚とは違う

「プリンの法則」を感じる夜だった。



100円追加することで一番贅沢を感じられるもの。

皆さんにとっては何だろうか。



僕は長い間「カップラーメン」だった。



100円のカップヌードルから400円近いものまで

色々あるが、100円違うとスープの深みが格段に

違うことに驚く。レトルトだとばかには出来ない。



だが健康を気にするようになって、ここ数年手にすることが

めっきり少なくなった。




代わりに登場したのが「生卵」だ。



1個10円20円のものもあれば、100円を超えるものもある。

味の濃さがまったく違う。




高級卵を入手できたときは、週末の朝、卵がけご飯(TKG)で頂く。

あつあつご飯の上で卵を割り、まぜずにそのまま岩塩を振る。

数秒後、至福の瞬間が訪れる。



今朝は予想以上に「+100円の力」を感じさせる卵だった。



IMG_7568


2018/02/15

理路雑然


明日は2週間前と同じ中野で講演だ。

規模は小さく10名程度の座談会になるだろう。



前回は「よどみなく話すぎる」といわれた。

初めてもらった指摘だがそのとおりだ。



聞く側の感情の起伏を生んでこそ記憶にねばり、

言いたいことも届く。

さらさら~と理路整然と話してはダメなのだ。



気合が空回り気味だった前回の反省を活かし、緩急をつけて、

「いい加減に」「理路雑然」とした
トークを目指そう。



いつものように。



*セミナー『名脇役が生まれる日』

http://ictco.jp/syousai.html?id=294


 

PAGE TOP