根本席亭ブログ 500人の笑顔を支える、ネット碁席亭日記 囲碁の上達方法やイベント情報など、日々の出来事を発信していきます。

2017/10/05

天空流


天空流とは僕が8年前に編み出した囲碁の打ち方だ。



囲碁は陣地取りのゲーム。効率よく陣地が取れる

盤の隅から打ち始めるのが常識的とされる。




しかし天空流は、盤面の中央に近いところから打ち始める。

囲碁ファンならば、それは宇宙流
ではないの?となるだろう。



盤面の中央にロマンを求める宇宙流は大分前から人気がある。

しかしその宇宙流と天空流は似て非なり。

なぜなら天空流の精神は「こだわらない」にあるからだ。



天(中央)でもいい。地(隅)でもいい。

相手の出方次第でこちらの打ち方を決める。



最初に天に打って途中から隅を打つ。

これを以前は「一貫性がない」とされた。

天空流はそれを「柔軟性がある」ととらえている。



今日から毎週木曜夜、僕のサイト「石音」で「天空流講座」を始めた。

30名ぐらいのメンバーが集まって2時間、一緒にワイワイ楽しんだ。



天空流の神髄は、本当は打ち方ではなく

「アマチュアはもっと自由に楽しもう」にある。



今のところここだけの秘密にしておこう。



同志であり仲間だった奴が、5日前に突然行方不明になった。

その直前まで
連絡をとりあっていたのだが、原因がわからない。



事件、事故、それとも…。

あらゆる可能性が頭をめぐった。



それが先ほど、探さないでほしいという要望とあわせて無事でいるとの

一報が
警察から入った。



ほっとしたのは言うまでもない。ご家族もさぞかし安心したことだろう。

とにかく取返しがつかないことになっていないのは大きな、大きな喜びだ。



悩みに気づけなかったのは悔やまれるが、

これからまた、仲間の歴史は積み重ねられる。



もう探しはしない。

というより、手がかりなしで探せない。



しかし、こんなことで「仲間」が終わりはしない。

いつでもまた笑顔で会えると思う。

この話をネタにして、飲める日が来ると思う。



そんな日をゆっくり待つことにしよう。


2017/09/22

現代囲碁大系


久しぶりにランチを誘われた。Kさんは79歳。僕がいた商社のOBだ。

レストランの席につくなり1冊の本を出された。



「これ、もしずっと持っててくれるならあなたにあげようかと思って」



随分昔の本だ。茶色く色あせたセロハン紙に包まれた箱から、

そおっと取り出してページをめくると
ほとんど読まれたことがないのがわかる。



「囲碁がもっと強くなりたくて定期的に買ったんだが、

買って満足しちゃってね」



本の名は『現代囲碁大系第一巻 明治・大正名棋家集』。



今から35年前に発刊された全集で47巻。

なんと全部新品で揃っているという。

当時の値段で1冊3300円。高価なものだ。



ぜひ譲り受けて大切にしなければならない。



「坂田栄男夫人に頂いた碁石もうちにあるんだ。これもいつかあげるよ」



50年間は責任をもってしっかり所持します。

そして本も碁石も、その本分を果たしてもらうようにします。



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最近見なくなりましたが、数年前「一発屋」と呼ばれる芸人が

出ては消えという現象が続きました。最近その理由が分かった気がします。

彼らの芸には相手に対する「敬意」がないのです。

(その芸人に敬意力がないということではなく芸がそうなっている)



一発屋の芸は分かりやすさ、短さ、インパクト重視。

と同時に時や相手を選ばずいつでも同じものです。



一方、長く売れ続ける芸人の芸は相手に対する敬意があります。

その日その相手だからというトークに比重を置いているのです。

備わっているのは聞き手を飽きさせないカスタマイズ力です。



先日のサンデージャポンで太田光がことあるごとに号泣マネしてこちら爆笑。

事前の準備が出来ない、さんまのクリスマス電話が長寿番組なのも分かります。



そうです。

みんなカスタマイズを求めている!




囲碁界に目を移すと、インストラクターが、相手が年配であれ中年であれ若者であれ、

同じように「丁寧親切に」教えています。

その日その相手でなければならないトーク、どれぐらいの人が実践しているでしょう。



僕ら囲碁業界人は皆、カスタマイズ力アップを目指すべきなのです。



囲碁入門、無料が当たり前になりつつある。

「松竹梅」 

これ、松があるから梅の意味がある、梅が生きると思う。



無料しかなければそれは「ただのタダ」。

ブランドを下げてしまう危険もある。



1時間5千円の囲碁入門、どんな内容だったら集まるだろう。

提供サイドがもっと知恵を絞り、考え抜かないといけない。

まずは無料で囲碁入門をやって。ここで思考停止してはいけない。



無料入門で100人集めても、5千円入門で3人集めても、

普及のゴールから見たら効果は似たようなものではないか。



以前表参道で1年間、毎週少人数有料入門をやった。

60分で4千円。毎回1人、2人だったが、

3年経過した今、半数が立派な級位者、囲碁ファンに育った。



投資セミナー。

無料から数千円、数万円のものまで様々。

まさに松竹梅揃ってる。

参加者が自分の状況にあったものが選べるのは素晴らしい。



囲碁入門、現在その「選べる価値」を提供していないのではないか。

業界の皆さん、どう思いますか?



「松があるから梅になる」

そんなことをふと思う、梅雨の晴れ間の席亭です。




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2014/06/14

ぼける力


最近自分がぼけてるなぁと感じる瞬間増えてきました。

同じ「ぼけ」でもいくつか意味があるんですね。



1.ぼけつっこみのぼけ(わざと)

2.あの人ぼけぼけだよね(天然)

3.最近ぼけてるなぁ(記憶)

4.ぼけ防止(認知)



囲碁を楽しくするスパイス、そして教える時ぜひ意識してほしいと思うのが、

1のぼけ(わざと)だと気づきました。




囲碁は相手の予想を外しあうゲーム。

「え~そうくるかー。」「あっそうきたかー。」「うそっ!」

これが楽しいんですよね。観てても打ってても、ぼけが多いほど、楽しい気がしませんか?

一流のぼけ 対 一流のぼけ 。一流のぼけ 対 一流のつっこみ。




盤外でも囲碁界にはもっと「ぼけ」必要かもしれません。

楽しいお笑いの世界、ぼける人と言えばすぐ浮かぶ顔あります。

松ちゃん、ウッチャン、太田、岡村・・お笑い界の外でも広く活躍している印象です。

つまりファン層が広い。




盤上で「ぼける力」は教える時に威力を発揮します。

記憶に頼らず自分の頭で考える碁” に自然となるからです。

手を記憶しようとすると、覚えてないことに苛立ちを感じたり、

限界を感じたりします。

しかし「その場で考える力をつけよう」は違ったメッセージになります。

そう、覚えなくていいんだ!




不思議なもので、覚えなくていいよ、と教わると、

結果的に覚えてしまう面あります。

ぼける力は、「その日その1局その1手」の印象を強くします。

9子局黒番。白のかかりにコスミつけ、帽子には肩ついて脱出。

勿論基本は大事。しかし毎回上手が同じでは、

下手の思考停止、暗記偏重を招き進化を停めてしまいます。




何よりいつも同じ打ち方、それでは囲碁の面白さを

十分に引き出していないと思いませんか? 



まずは上手がどんどん「ぼけて」いきましょう。

そして囲碁界の人はもっともっと盤外でも「ぼけて」発信していきましょう。




参考までに席亭の盤上でのぼけ方「天空流」です。

シーズン1・2(5話ずつ)。シーズン3構想中~。

実生活ではぼけまくりですが、

囲碁に関して盤外のぼけがまだまだ足りないので頑張ります。



席亭動画「天空流」:http://www.youtube.com/watch?v=Q33ViAoxaqU


2014/06/04

席亭しぼり


生活必需品以外の分野、いわゆる趣味や余暇、嗜好品の中で、

これから一生関係ないだろうな、と思われるものが7割ほどあった。



自分的にはバイクやタバコ、編み物など。友人や家族に強く勧められても、

まずやらないだろうなという分野。これをAグループとしよう。



次に残りの3割を見渡してみて、その7割(つまり全体の2割)が、

「家族の勧めなど強いきっかけ」があればやるかもしれないけど、

その機会が来ることがイメージつかない。

自分的には競馬や競輪、マリンスポーツがそうだ。これをBグループとしよう。



残りは全体の1割。今やってないけど、きっかけがあればやるかもなーと

イメージ出来るもの。自分的にはギターやチェス、ボルダリングなど。

これをCグループとしよう。



この「なくても困らず生活できるもの」は、ABC、

つまり7:2:1に分けられることに気づいた。

この比率、自分に限らず一般的にもそう違わないのではないか。



今まで囲碁を広めたい想いのあまり、ABC関係なく無鉄砲に

玉を撃っていたかもしれない。

自分に対してタバコ会社がどんなキャンペーンを張ろうとも、

どんな美女を使おうとも、目の保養にはなっても心は動かない。



囲碁でもきっと7割の人がAグループ、ファンにはならない層だろう。



しかしこれは囲碁だけの話ではない。

身の回りにある何でもそうかもしれない。悲観する必要はない。

今まで囲碁が難しい(と思われる)から、イメージが固まっているから、

という先入観で、僕らは100人に教えても1年後数人しか生き残らない現状を

片付けてきた。そしてその確率をあげる方法論に悩みもがいてきた。



しかしABを除いてCグループに絞り込んで、普及したらどうだろう。

もう少し元気が出る結果につながるのではないか。

まずはそれがどんな人というところからスタート。

Cだけでも日本に少なくとも500万人、つまりファン層が

倍増する余地があるということ。



囲碁がCグループに入る人。

それは社会人であれば

「サードプレイスを求める人」

「異業種友人を求める人」

「自己の能力アップを目指す人」


ここからさらに絞り込めるだろう。



現役を退いた方であれば「心身の健康に敏感な人」

囲碁Cグループ予備軍だろう。



今まで囲碁の話をするとき、製品説明にならないよう気をつけてきたつもりである。

しかし、○○にもいいですよ、○○という効果もあります、

とてんこ盛りにして、ついついメリットをたくさんアピール、絞ってこなかった。

これからは対象を絞り、効果も絞って訴求していこう。

今までにないレベルで道が開けると思う。早速実行しよう!



名付けて『席亭しぼり』

最後は余計だったかもしれない。



囲碁で儲けてる人がいないから囲碁が普及しない、が持論です。

業界内で妬まれるぐらい成功している人がいない。

当然ビジネス界から一目置かれる人もいない。



業界内でプチ成功者が出ると、よし俺も私もとなって

競争が起きる。業界がアクティブになる。

囲碁が儲かるとなると、他業界からの視線も熱を帯びてさらに競争激化。

業界内のサービスレベルがあがって

囲碁認知度、プレゼンスもあがる、という好循環。



GOつながりで言えばゴルフも囲碁も、

スポンサー頼りの構造、メインプレーヤー層は一緒。

しかし業界内部が全然違う。

GDO(ゴルフダイジェストオンライン)のような

業界内のみならずビジネス界からも注目を浴びる企業がある。



その違いが、どんどん番組が無くなる囲碁、土日の午後は

どこのチャンネルでものゴルフ、そしてプロの収入格差、

知名度格差につながっている。石川遼と井山祐太、

年齢もやってることの凄さも一緒(井山のほうが凄いかも)。

収入は数倍、知名度は10倍は違う。悔しいの一言。



1度でも2度でもベクトルが上向きであれば時間がたてば

大きな結果を産む。現状はわずかだがベクトルが下に向いている。

その角度を変える起点をつくるには「儲ける」意識を

持つ
ことしかないと思う。



最近このご時世で囲碁のスポンサーを買って出てくださる方がいて、

感謝しかない。しかし長い目で見てどうか。

スポンサーは当然企業都合、トップ交代などで長期的な健康は

保障されない栄養ドリンクのようなもの。

疲れたからリゲイン飲む、を繰り返しても未来は明るくならない。



事業で成功した人で囲碁に理解ある方がスポンサーになる

構造だけではなく、囲碁で成功した人が囲碁に還元する構造を

創っていくしかない。



今までこの業界は横断的に知を共有する仕組み、

協力し合う仕組みがなかった
ので、僕がこれから作っていく。



今まであまり山に興味もなく、行ったことがあるのは小学校の遠足ぐらい。

こういう人に質問します。



もし友達から今度の週末一緒に~と誘われたらどうでしょう。



 1.登山しようよ

 2.トレッキングに行こう

 3.ハイキングしよう

 4.ピクニックに行こう



さてどの言葉にぴぴっときますか?



「登山」は頂上を目指し歩いて登るイメージ。

「トレッキング」は山には行くけど、頂上にはこだわらず横ばいに歩くイメージ。

「ハイキング」は山にこだわらず自然の中を歩くイメージ。

「ピクニック」は歩きにもこだわらず食事メインのイメージ。



答えは人それぞれです。

実はこの友人が行こうと誘っているのは人気の高尾山!



そうです。高尾山では登山もトレッキングもハイキングもピクニックもありなんです。



登山靴履いて自分の足で登っても、

ヒールでリフト使って舗装道路歩いても

頂上ではどちらも笑顔。どちらも同じ立派な「高尾山ファン」です。



囲碁の楽しみ方は人それぞれ。

囲碁は高尾山!です。



それほど興味や経験のない人にとっては、誘われても

「私にできるかな。少し面倒かな」

がスタートラインです。山も囲碁も一緒。



登山という言葉はゴール(頂上=棋力アップ)を前提とした、

ちょっと敷居が高いイメージ。



「お弁当もってピクニックにいかないかい?」



こんな言葉で、こんなスタンスで囲碁を誘ってあげてください。

気づいたら新緑の中、一緒に汗かきながら

笑顔で登ってますから。




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今年8年目を迎える石音。

はじめてシステムを一新して、今日から第二の創業が

始まりました。




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石音は

「教えたい情熱と上手になりたい熱意が出会う場」です。

近くに囲碁を打つ場所がない、仲間がいない。

始めたばかりで教えてくれる人がいない。




こういう声に本気で向き合い、応えていきます。




囲碁に魅せられ、勇気を出してこの業界に飛び込んできた若者が、

多くの囲碁ファンに囲まれ、愛され、大きな働きがいと

高い報酬を得るような仕組みを創る。




今こんな夢を持っています。


 

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