根本席亭ブログ 500人の笑顔を支える、ネット碁席亭日記 囲碁の上達方法やイベント情報など、日々の出来事を発信していきます。

2018/01/02

友達のおうち


今日は実家で両親や弟家族とも会い賑やかな一日となった。



弟家族は広島旅行から帰ったばかりだった。

厳島神社では5歳になったばかりの姪っ子が能舞台を見て



「明おじさんの友達のおうちといっしょだね」



と言ったそうでびっくりした。



一昨日ブログで紹介した住職に西本願寺の重文と国宝の能舞台を

案内して頂いたのが
1年半前で、彼女がまだ3歳のときだ。



2歳上のお姉さんと2人で能舞台をじっと眺めていたが、

彼女たちなりに
しっかり記憶に残していたのだ。



なにより30歳離れた住職と僕が、彼女から見て

「ともだち」だったことが嬉しかった。




西本願寺



石音歴10年のシニア女性からプレゼントが届いた。



息子さんが経営するチョコ専門店から

石音インストラクターと席亭宛てに12箱だ。



今まで何度もこうして頂戴している。

石音で楽しんで頂いている気持ちが伝わってきて、

席亭として毎回嬉しさがこみあげる。




チョコは「バーマンズチョコレート」という。

息子さんの造語だそうで、バーテンダーが造ったとても洋酒な生チョコだ。

バレンタイン前には日本橋三越や新宿小田急でも買えるらしい。



今日は午後、渋谷で囲碁教室『上達の約束』があった。

早速メンバー4名と我々講師2名で極上のチョコを頂いた。



まったくクリスマス色がなかった盤側に

一瞬華やかな空気と笑顔が広がった。



*バーマンズチョコレート

http://www.bar-choco.com/page/1



2日連続で87歳のシニア宅を訪れた。



僕はいつも10分ほど前に到着して、1Fのロビーで時間を調整してから

彼が住む23階に向かう。



約束の90秒前に下で部屋番号を押して開錠してもらい

エレベーターであがると
ほぼ丁度の時間に玄関前に到着する。



今日は僕が到着すると、既に玄関の扉を開けてニコニコしながら

腕時計を操作する仕草をしていた。



「根本さんの到着にあわせて時計を調整しようと思ってね。

時報より正確だからね」




独特のユーモアだ。信頼されていることが伝わり素直に嬉しい。



ところで僕は、いつも同じ電車に乗って、駅から歩く速度で

微調整して来ていることに
なっている。



毎回階下で調整しているのはここだけの秘密だ。


2017/12/20

寅さんの役割


今日は87歳の方と対局のあと、奥様と3人で久しぶりの食事を

楽しませて頂いた。



ご夫婦はロシア、ノルウェー、ドイツ、イタリア、イギリスと

1ヶ月に及ぶ
強行スケジュールの出張を終えて帰国したばかりだ。



海外での思い出話が一段落したあと、ふと日本の女優の話になった。



「岸恵子って本当にかわいらしくて素敵だったわね」



昔のことを懐かしく思い出しているようだ。

ロシアつながりで栗原小巻の話にも
なった。



顔はなんとか浮かぶが僕の世代にはあまり馴染みがない。

しかし僕には強い味方があった。岸恵子も栗原小巻も

昔のトップ女優はみんな寅さんのマドンナなのだ。



ご夫婦は寅さんはあまりご覧になってないようだったが、

僕にも同じ女優に思い入れがあると話の弾みぐあいが違ってくる。



40歳差を超えて女優話を共感できる。



こんな新しい「寅さんの役割」を発見した夜だった。



お台場東京ビックサイトで開催中の「産業交流展2017」で

『名脇役オーディション』の話をした。



シニアの力を中小企業に活かす。

そのマッチングをオーディションで行うというものだ。



ミニステージで5分だけということもあり

ほとんど何を話すか決めずに登壇した。



準備をしていないぶん熱が伝わったのか、

終わったあと2人の方がもう少し詳しく聞きたいときてくれた。



最近人前で話す機会が少し増えてきて気づいたことがある。

考えていることを話しているようで、実はその逆も多い。



「話をすることではじめて自分が何を考えていたかわかる」



もっともっと話す場がほしい。

そんな気持ちが日々沸いてくる。



産業交流展1


2017/11/06

マスとヤマメ


囲碁を教えている87歳の方と奥様と3人で昼食を食べながら、

先日山梨の渓谷を歩いた話をした。




ご夫婦は僕の話をいつも面白そうに聞いてくださるので

つい話が弾んでしまう。



そして僕の話に関連した自分の経験談を、ユーモアをまじえ

続けるのも毎度のことだ。




その方は数十年前、奥多摩の渓谷でマス釣りをしたそうだ。

しかし、2匹のマスが追いかけあいながら優雅に泳ぐのを見ているうちに、

頭の中に自然とシューベルトの「鱒」
が流れてきて

釣るのを忘れてしまったという。




そんな話を聞いてると僕にもその曲が流れてきた。

そうか。名曲はこういうシーンからふと生まれるのか。



僕の渓谷の話には、弾んでもいい続きがあった。



小さな池で養殖されているヤマメを見て、

朝食で出てきた甘露煮のサイズに似てるとか、

もっと太ったほうが美味しいだろうなとか、次々と浮かんだのだ。



もちろんこの話はそっと胸の奥にしまいこんだ。



*シューベルト「鱒」第4楽章 http://mjk.ac/3Z9XFN


2017/10/28

選ばれる喜び


いま準備中の『名脇役』は、

シニアの「選ばれる喜び」をプロデュースする事業だ。



シニアになると、この喜びを味わう機会が減る。

今まで持っていた「選ばれるはず」という自信は

年月とともに少しずつ、緩やかになくなっていく。



現役時代の長きにわたる「選ばれるための戦い」を経て

いま静かな日々を過ごす。これはこれでいいかもしれない。



しかしその人が持っている経験・知見・技術・人縁といった無形の財産が、

その自信の消失とともに社会から
消えていくのも事実だ。



それら財産は、もっている人自身も

「できれば誰かに伝えて役立たせたい」

と思っているが、なかなかその機会はない。



とにかく「きっかけ」が必要だと思う。

それをこれから僕が創る。


2017/10/26

先生で先死


先が見えない今だからこそ先に生まれた人にきけ。



こんな声にしたがって、僕は「シニアに学べ」を標榜している。

先に生まれるで「先生」なので自然だと思う。



僕に「シニアに学べ」を気づかせてくれた人が亡くなって、もう4年半になる。



その「先生」は「先死」でもあった。

そして今でも学びを届け続けてくれている。


2017/09/30

成仏できる人


現在準備を進めている『名脇役』プロジェクト。

その打ち合わせで「定年後、シニアはすぐには成仏できない」

という話になった。




「成仏する」とはなにか。



それは「ただのおっさん」になることだ。

出身企業や肩書を意識から消せることだ。



簡単そうで最初はなかなか難しいが、誰しもほどなく

成仏するときはくるらしい。




それは、再就職を目指すも、「自分でなければできない」

思える仕事を見つけるのが無理とさとる時だ。



お金に困っているわけではない、智慧も人縁も豊富なシニアが

こうして社会から離れていく。
個人の意識の成仏が、社会からの成仏となる。



「成仏したからこそ満足できる仕事にめぐりあえる」



こんな仕組みをつくりたい。

いま、そう本気で思っている。


2017/09/27

物語の力


今日は、私が理事を務めるNPO法人ライフベンチャークラブ

「生涯現役塾」だった。




この塾は毎月1回、32年間、一度も休まず継続しているもので

今回がなんと第381回。
私は昨年からだからまだ10回ほどだが、

この会の継続力には驚かされる。



今日私が発表したのは、シニアの活力を社会に活かすアイデア

『名脇役プラン』。




いつもなら企画発表ということで、要点だけレジメにまとめて

配布して説明するところだが、今日は趣向を
変えてみた。



「名脇役になる日」という小エッセイを書き、それを読み上げたのだ。

いつもの企画説明だと20分はかかるが、これは
A4の表裏の文量だから

読むのには
5分もかかからなかった。



僕が読み終えたあと、列席のメンバーからは歓声があがった。



「面白いね~」

「こういう話、あちこちで聞くのよ。そうなのよ」

「これ、映画にしたいね!」



映画はオーバーにしても、予想以上の反応に驚いた。

そうだ。ビジネスモデルよりも、共感が大事なんだ。



物語の力をあらためて知った発表になった。


 

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