2017/11/29
今夜はひさしぶりに自社サーバーがダウンした。
ここ1年ほど安定していたので、不意打ちをくらった格好だ。
ダウンしたのが21時半頃で
僕が異変に気づいたのがその20分後。
あわててシステム会社に電話して22時頃に復旧した。
今夜は電話もメールもなかったので気づくのが遅れたのだ。
サーバーが停止すると対局が途中で出来なくなる。
いつもならその直後からお客さんからの電話が鳴りやまない。
僕は四六時中ネット上で監視しているわけではないが、
今まではその電話でトラブルを即座に知ることが出来た。
しかし今夜は電話が鳴らなかった。
石音サーバーのトラブルを、自分のパソコンのトラブルと勘違いして
いつも真っ先に電話をかけてきた京都のKさん。
今夜も大変だろうけど頑張ってね、という電話を
毎回一呼吸おいてかけてくれた常連のFさん。
石音の取締役、つまり内輪なのに、いまの対局の記録はどうなるんだ、
とお客さんと同じ目線で怒ってくれたSさん。
3人とも今はいない。
静かなトラブルは、本当ならほっとしていいはずだった。
だが、予期せぬ寂しい気持ちが残った。
2017/11/28
今日は横浜の崎陽軒本店で講演だった。
専門学校教職員の方々の「永年勤続表彰」の場ということもあり、
こんな話から始めた。
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僕は会社を経営して13年目になるが、
継続には『動機の経営』が大切だと感じている。
20代の頃はビジネスの右も左もわからず
「正しいか正しくないか」で動いていた。
30代になって社内ベンチャーを立ち上げ、
そのあと石音を起業したあとは、とにかく
「儲かるか儲からないか」を考える日が続いた。
40代になって少し落ち着いたら「好きか嫌いか」に変わった。
そしてアラフィフの今は4ステージ目、
「伝えたいかどうか」になっている。
仕事で一番大切にしたいことが
「正しいか」「儲かるか」「好きか」「伝えたいか」
の順番で変わってきたのだ。
動機が変わっていく自分を認めてあげられたから今がある…。
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講演後、懇親会の場で何人かから、心に残った部分を教えて頂けた。
今日はもう少し話す内容をしぼって、ひとつひとつを深堀りしたほうが
よかった、と自己採点ではまだまだ合格点には達していないが、
少しでも届いたものがあったのは素直に嬉しい。
そして「もっと伝えたい」という思いが沸いた。
4ステージ目の動機がさらに強まった日になった。
2017/11/27
準備がいつもギリギリになるのは、周囲に呆れられているが治らない。
実は、万全の準備をしないほうが聴衆に敬意を表することになる、
と思っている。
それがもし事実としても、自分のものぐさな態度の言い訳に
使っているだけだ、とこっそり白状しておこう。
明日は神奈川の専門学校の先生70名の前で
『目のつけどころの鍛え方』を話す機会を頂いている。
今年は既に高校生、大学生、ビジネスマン、シニアは経験済だが、
先生は初めてだ。年代も20代から60代までと幅広く男女半々だという。
先生達の前で自分が何を話し、何を感じるのか、
いまから楽しみでワクワクしている。
2017/11/26
今月から始めている囲碁教室『上達の約束』に5人目のメンバーが加わった。
13時半渋谷の待ち合わせに、朝7時40分のバスで
茨城県から遠路お越し頂いた。
高校の先生で囲碁部の顧問だという。
しかし囲碁が得意だから顧問になったわけではないそうだ。
僕が成長していくところを見せないと生徒が誰もついてこない、
と熱く語る姿に心をうたれた。
名刺を見ると、名前の横にAIと自分が囲碁を打つ絵が描かれていて、
茶目っ気の向こうに本気度がうかがえる。
これからが本当に楽しみだ。
そして僕らを選んで頂いたことに感謝しかない。
その方には「囲碁を楽しむこと」を約束してもらおう。
僕らは「囲碁が好きになって上達すること」を約束しよう。
約束は2人でするものだから。
*囲碁教室の新しいカタチ『上達の約束』
https://peraichi.com/landing_pages/view/jotatsu-promise-igo
2017/11/25
タイトル戦で記者が現場で書くものといえば、
新聞掲載の観戦記事と相場はきまっている。
だがそれが芥川賞を獲ったとすれば、刮目に値する話だ。
将棋タイトルの最高峰、名人戦の舞台が高野山の金剛峯寺に
セットされたのは、昭和23年のことだった。
29歳の升田名人に24歳の大山が挑戦する名人戦の担当だった
毎日新聞学芸部副部長は、将棋そっちのけで決戦の舞台の2階で
小説を執筆していた。
『闘牛』は2年後、芥川賞を受賞した。
小説家・井上靖は、高野山の将棋名人戦で誕生したのだ。
まるで高尾―井山の囲碁名人戦で、担当記者、又吉直樹が
『火花』を書いていたみたいな話だが、それを知って以来、
僕の中で彼の著作を読んでみようというボルテージが一段あがった。
いつかいつかと思いながら、自分の中でずっとそのきっかけを待っている本。
数えたことはないが、数十冊はあるだろう。
その一冊、『天平の甍』にじっくり向き合ってみた。
年末に琵琶湖周辺を歩くつもりなので、次は『星と祭り』も読んでみたい。