2018/07/08
物心がついた頃から観ていた。
日曜の夕方になると、親父はテレビの前のソファーにやってきて
チャンネルをあわせた。僕も自然とあのテーマソングに
引き寄せられるようになった。
最近は一緒に見る機会がめっきり減ってしまったが、
今日の特番も見ていたことだろう。
悲しい時も笑っておくる。
厳しい仕事だ。
素敵な仕事だ。
今日はとくに笑いのすばらしさ、あたたかさが、
全国に届けられた。
2018/07/07
GW明けから始まった右手首の腱鞘炎がなかなか治らない。
先日4軒目の医院の門をたたいた。
元来腰痛持ちなので、整体にはよく通うほうだ。
しっかり施術してもらい、コリがほぐれて気持ちがいいのがいい先生だ。
だがそこは違った。
「はい、では右手全体を、自分のものではないぐらいに力を抜いてください」
完全に力を抜くというのは意外と難しい。
先生がそっと僕の右腕をもちあげるときに、つい期待にこたえて
自分で右腕をあげてしまう。
途中で10秒ほど停止する。揉んだりせず、痛むところを
手で軽くさすってそのまま静かに元に戻す。
施術は基本、それを繰り返すだけだ。
次こそはステップアップするのだろうという期待を
見事に裏切ったまま時間がすぎていく。
「先ほど痛かった動き、手首をまわしてどうですか。親指を曲げてどうですか」
そんなことで治るわけないだろう、と思ったが、あら不思議。
先ほどまで痛かった手首をまわす動きをしてもあまり痛くない。
親指を曲げて痛かったところは痛みが3割ほどやわらいだ。
「しっかり揉んでコリをほぐす、というのは気持ちがいいとか
痛みがやわらぐ効果はあるでしょうが、ほんとうにコリがほぐれているかというと
そうでもないのです」
不思議そうな顔をしている僕にむかって、筋肉や骨が痛むというのは
どういうことか、タオルをつかって説明してくれた。
「はい。今日はここまでにしましょう。
もうこれ以上今日よくなることはありません」
時計を見ると施術を始めてまだ30分たっていない。
1回5千円ということなので、1時間ほどかなと勝手に思っていたが、
一度に過度な治療するのもマイナスなのか。
簡単そうな施術なので、帰宅後つれに頼んで、
同じようにやってもらう。
これまたあら不思議。
痛みは少しも変わらなかった。
*西新宿 肩こり腰痛整体院
http://www.nishishinjuku-seitai.com/syoujou/kensyouen.shtml
2018/07/03
2日前、本因坊文裕(井山七冠)が山下九段の挑戦を退け
本因坊七連覇を達成した。
京都の寂光寺には7年前、山下本因坊と井山挑戦者が
対局した部屋『本因坊の間』がある。
盤面も当時のままに再現されている。
ここの2代目住職は、あの信長・秀吉・家康3人の
囲碁の師匠であった日海(にちかい)、初代本因坊算砂だ。
「名人」という言葉は、信長が算砂に対して
「そちはまことの名人なり」と言ったのが起こりだと言われている。
現在、33代目住職の大川さんが、この囲碁の聖地を
守っておられる。この5月に訪れた際は、34代目の副住職が
小1時間丁寧にお寺の歴史を説明してくださった。
囲碁を仕事にする者にとって至福のひとときだった。
2018/06/30
よっひさしぶり!
思わず小さくつぶやいた。
修理に出していた腕時計が戻ってきた。
3週間ぶりではない。
20年ぶりだ。
社会人になってすぐに買ったものが4年目に動かなくなった。
時計をあわせようと説明書を読まずに
適当にネジを動かしたのがまずかった。
携帯電話を持ちはじめた頃だったので、
「時間はこれでわかる」
という言い訳で、壊したことにフタをした。
それ以来僕は時計をしなくなった。
左手首に久しぶりの感触だ。
じっと秒針の動きを見ているとよみがえってくる。
濃い青色の文字盤がひとめで気に入り、
何度も売り場をいったりきたりした。
店員の目を気にして、あまり興味のない時計も
わざとのぞきこんだりした。
新人には大きな買い物だった。
僕は何を思って毎日を過ごしていたのだろう。
すっかり止まっていたあの頃の時間も動き出した。
2018/06/29
当店にマニュアルはありません。
時折目にするこの言葉にめっぽう弱い。
なぜだかはわかる。
自分にマニュアルがないからだ。
教えるときも、人前で話すときも、旅をするときも。
つれには「自由人」とよくいわれる。
おそらく「勝手」や「いきあたりばったり」という意味も
こめられていようが、そこは、それこそ「勝手」に、
ポジティブに受けとっている。
マニュアルがないとは、すべてをカスタマイズする覚悟だ。
その日、その気分、その相手…すべてに。
せっかく生きているのだから、そうでなきゃ面白くない。
ここ2ヶ月、人生ではじめて腱鞘炎になやまされていて
近所の「身体均整院」という、聞きなれないところの門を叩いた。
右手首を治すのに、首や頭、腰や左手首の施術が念入りに始まった。
僕の身体を全部知らなければ治せない、と言ってるようだった。
会話をしながら次の施術場所と内容がきまっていった。
再訪しようと帰宅後HPを見て気がついた。
あの「魔法のことば」があった。
*米木身体均整院 http://yoneki-kinsei.com/#clients