2020/02/27
2020年2月、読売新聞水曜夕刊で4回連載を頂きました。
サイト運営で気づいたことや思い出の1局を綴りました。
第1回は石音で生れる囲碁仲間の「輪」についてです。
2019/01/07
今年の年末年始は、ちょっと「特別」だった。
何が特別かというと、いつもよりすこし「普通」だった。
もっとも「ハレ」の時である正月が、
めずらしく「ケ」に近寄った。
僕の側の家族で集まることもなければ、
どこかに旅行に行くこともなかった。
思えば年末年始に両親が家にいないのもはじめてだ。
グアムクルーズに旅立つ両親を横浜桟橋で見送った。
弟家族もサンディエゴの妹の家に行っていた。
すこし普通に寄った日々を過ごして思う。
間もなく完成する家では、ハレよりもケを大事に
毎日を暮らしたい。
2018/12/28
よく考えてみたら、旅に出る両親を見送るのは初めてだ。
風が強めだったが、透き通るような青空で
海のそばは気持ちがよかった。
グアムへの年末年始クルーズ10日間。
目を悪くして以来、行動範囲が狭くなりがちな父も
今日はいつもより心が弾んでいるようだった。
2018/11/21
食欲の秋。
秋は美味しい食材が次々に登場する季節だ。
そのなかで、あまり目立たないが毎年心待ちに
しているものがある。
こんにゃくだ。
えー、こんにゃくに旬があるの?
僕もそう思っていた。
だが6年前、はじめて自分でつくってみてから
秋深まる頃から冬は、こんにゃくの季節になった。
芋は日持ちがしないため、ネットで買うしかない。
昨日、群馬から届いた芋だが、2つで送料ふくめて千円ちょっと。
この2つからふつうのこんにゃくが20枚はできてしまう。
味噌田楽、煮物も美味しいが、
お薦めはなんといっても刺身こんにゃく。
歯ごたえも味も、今まで食べていたのは何?
となるのはまちがいない。
お店の説明にこうあった。
同じフライドポテトでも粉からつくっているものと
芋をあげたものでは味が全然違う。こんにゃくも同じで、
市販されているほとんどが粉からつくられている…。
手間はかかるがお金はかからず、
つくるのも供するのもイベントになる。
まだつくったことがない方は、ぜひ一度挑戦を。
下仁田ぜいたく庵 https://item.rakuten.co.jp/zeitaku-an/o-51/#o-51
2018/11/06
辞めて15年以上経つが、社会人をスタートさせた会社への想いは、
想像以上に大きかった。
会社の保養所がたちならぶ那須の山中を散歩していると、
まるで今日、僕をそこで待っていてくれたかのように現れた。
買い手が見つからないまま長いこと放置されているようだ。
建物の前にかけられたチェーンは、ところどころ赤茶色く錆びていた。
周囲は紅葉の盛りで、光の加減で一瞬一瞬、趣がかわる。
朝陽に照らされた葉を裏側から見るのもまた美しい。
人気(ひとけ)のない前の会社の保養所の前で、
ゆっくり「大きい秋」をかみしめた。