2023/10/08
下呂温泉に4泊したあとは、名古屋の大学でデザインを教えている旧友と
杯をかわした。20年前、石音を創業する前後の数年間、一緒に戦った
仲間だ。短く濃い時間のあと長い空白をおいての再会は、盛り上がる。
勝手に「プリンの法則」と呼んでいる。
濃い時間がカラメルで空白の期間が黄身の部分。この比率が丁度いいと
混ぜて食べるとうまい。そんな宴だった。
昔の仲間は増えない。プリンの数も限られている。
旅の6日目、一目散に東京に戻るのは惜しい気がして、静岡に寄った。
訪れたことがなかった久能山東照宮は駅から3時間もあれば往復できた。
全国にいくつかある家康の墓の中で、ここが一番「本物」、つまり
彼が眠っている可能性が高いそうだ。囲碁を生業とするものとして、
囲碁の創業者ともいえる彼の前で手をあわせられたのはよかった。
翌朝、ホテルの朝食が6時半と早めだったので、7時半には車中の人
となった。朝陽に輝く富士を上り電車から眺めながらふと思った。
一週間におよぶ一人旅はいつ以来だろう。もしかして学生以来…。
朝9時に帰宅すると、驚いたつれはひとこと。
昨日泊まる必要あったの?
もっともな指摘ながら、言われるまで全く気づかなかった。
2023/10/08
「男はつらいよ」を見始めたのは40代にはいってからだ。
全48作を10年間で3回ずつぐらいは見ただろうか。
ここ数年旅先で、「ここ寅さん来たかな」と調べるようになった。
ロケ地には大観光地はあまり選ばれず、むしろ、あまり知られていない
場所が多い。木曽の奈良井宿や滋賀長浜、三重の賢島や丹後の伊根など
帰宅したあとに気づいて、映画を一時停止しながら見たものだ。
先日の下呂温泉でも、まぁここには来てないだろうなと思いつつ
ランチのほうば焼定食を食べながらスマホで調べてみて驚いた。
その店の目の前の橋で、寅さんがバイしていたのだ。
第45作のエンディング、マドンナが風吹ジュンで、弟の永瀬正敏が
新婚旅行先で偶然バイする寅さんと出会ったのが、この橋だった。
「男はつらいよ」第45作ロケ地
https://www.cinemaclassics.jp/tora-san/location/424/
30年前とかわらず同じ建物が写っている!
と嬉しくなって思わず撮った。
狙っていないと、いいことがあるものだ。
2023/10/08
週に何度かの散歩や、たまに出かけるぶらり旅を綴ってみたい。
キーワードは「無計画」。
単なる計画ナシではなく、意志をもった、狙った無計画だ。
「無計画をたてる!」といばってはみるが、つれの反応は薄い。
さて先週はひとり下呂温泉に4泊、名古屋、静岡に1泊ずつしてきた。
名目は一応「仕事」だ。ワーケーションなる便利な言葉が出来たのは
好都合だった。
下呂に来たのは初めてだが、草津、有馬とならぶ日本三名泉の一つとは
知らなかった。別府や箱根は怒らないのだろうか。
街中には至るところに足湯がある。温泉博物館もある。
道にはまだところどころ雪が残っていて日陰は凍っている。
自分のトークと同じで、すべらないようにするのが大変だ。
ししなべのランチで身体が温まったので、ちょっと足をのばす。
173段の階段をのぼり「温泉寺(おんせんじ)」に行ってみた。
詳しくは最下部リンク先を参照頂きたいが、全国各所のお寺巡りを
楽しんでいる目から見てもここはユニークだった。
湯薬師如来、通称「湯掛薬師」が鎮座していた。
座った下からこんこんと湯が沸いている。源泉かけ流しの如来だ。
お参りの際、自分の不調の部分にお湯をかけると治るという。
温泉を手ですくい、腰のあたりにかける。腰よりもかじかんだ手が
すぐに喜ぶのを感じた。ふだんの行いから頂く功徳だろうか。
もっと境内を歩いてまわりたかったが、いかんせん、一面凍った雪で
怖くて坂道には入れず残念だった。
ここも当地の名所の一つだろうが、水曜午後2時、階段、道すがら含め
誰にも会わず、湧き出したお湯が落ちる音以外聞こえない、
静かなお参りとなった。
温泉寺(下呂温泉)http://www.onsenji.jp/about/index.html