2018/01/04
うちの母に限らず、加齢とともに
「言いたいことはわかるけど、それじゃないんだよなぁ」
ということが増えてくる。
こちらもいちいちつっこまずに、勝手に「変換」して理解する癖がつく。
2年前に出版したとき、母の第一声を覚えている。
―どうせあなたの本なんて売れないんだから
本屋さんに頼んで『花火』のそばにでも置いてもらいなさい。
これはいいとしても、ものには限度というものがある。
いつだったか、電話のついでに小学一年生の姪っ子(孫)の話になった。
―最近の小学生はすごいわよ。帰宅のときに学校の門を出ると
「いま門を出ました」ってお知らせがお母さんにくるらしいの。
あれなんて言ったかしら。そうだ、きっとJアラートがついてるんだわ。
日本中が真剣に心配しているものとGPSを間違えるとは不謹慎だ。
放置しておくとほかでも言いふらしそうだから、
久しぶりにつっこもうかと思ったが、結局やめた。
この3文字も少ししたらすぐ別のものに置き換わってしまうに違いない。
2018/01/03
最近テレビをつけると「静かな番組」に
チャンネルをあわせることが多くなった。
タレントや俳優が少々大げさにコメントする番組は避けてしまう。
加齢に伴う自然現象なのだろう。
元旦の朝、NHKをつけていると、好みの静かなトーンで
ある番組が始まった。
『2時間でまわる伊勢神宮』
飽きさせないスピーディーな展開と
元旦らしい厳かな雰囲気に魅かれて、
お雑煮とおせちを食べ終わったあとも最後まで見続けた。
番組が終わり、さてテレビを消して年賀状をとりにいくかと
立ち上がったそのとき、エンドロール最後の
「統括ディレクター」のところで目がとまった。
3歳年下の大学テニスサークルの後輩だった。
NHKで数少ない女性ディレクターとして頑張っていることは
知っていたが、元旦朝の番組を任せられるとはびっくりだ。
嬉しくなって早速メールした。
番組をつくりながら私自身も色々と学びました、
とすぐ返信がきた。
普段は気に留めることもない番組のエンドロールに
「静かな活躍」が隠れていることを知った。
2018/01/02
今日は実家で両親や弟家族とも会い賑やかな一日となった。
弟家族は広島旅行から帰ったばかりだった。
厳島神社では5歳になったばかりの姪っ子が能舞台を見て
「明おじさんの友達のおうちといっしょだね」
と言ったそうでびっくりした。
一昨日ブログで紹介した住職に西本願寺の重文と国宝の能舞台を
案内して頂いたのが1年半前で、彼女がまだ3歳のときだ。
2歳上のお姉さんと2人で能舞台をじっと眺めていたが、
彼女たちなりにしっかり記憶に残していたのだ。
なにより30歳離れた住職と僕が、彼女から見て
「ともだち」だったことが嬉しかった。
2018/01/01
今年の元旦の朝は『大福梅』から始まった。
京都の北野天満宮で配られる正月の縁起物だ。
境内には50種1500本もの梅があり、
毎年2-3トンとれる梅を樽で塩漬けたあと
天日干してつくられる。
元旦の朝のお茶にいれて招福息災を祈願する習慣は
平安時代から続いているという。
伏見にお住まいの石音メンバーの方から送って頂いた。
ゆっくり飲むにつれて梅の酸味と塩気が強くなり、
自然と背筋が伸びて身体が目を覚ました。
素敵な贈り物で始まった2018年。
感謝の気持ちでスタート出来て幸せだ。