2017/11/17
僕は、創立三年が経過した(一社)『全日本囲碁協会』の理事を
務めている。中心メンバーは皆80代、理事長は88歳だ。
これだけの高齢メンバーが情熱を傾けて運営する全国組織もないだろう。
囲碁の魅力の一つといえる。
今週は父よりはるかに年上の理事2人と
それぞれ個別に膝をつきあわせて話をした。
今までは中心メンバーの驚異的な熱意でもってきた組織だが、
いつまで続くかはわからない。
ではすぐに僕らが引き継げるかといえばそんな簡単な話ではない。
世代が離れすぎているのもあり課題は山積だ。
今後について2時間、3時間、激論をかわして
はっきりわかったことがある。
僕らはいま「変わる力」が試されている。
もう一度原点にもどって、変わる力を奮い起こす時なのは間違いない。
2017/11/16
お台場東京ビックサイトで開催中の「産業交流展2017」で
『名脇役オーディション』の話をした。
シニアの力を中小企業に活かす。
そのマッチングをオーディションで行うというものだ。
ミニステージで5分だけということもあり
ほとんど何を話すか決めずに登壇した。
準備をしていないぶん熱が伝わったのか、
終わったあと2人の方がもう少し詳しく聞きたいときてくれた。
最近人前で話す機会が少し増えてきて気づいたことがある。
考えていることを話しているようで、実はその逆も多い。
「話をすることではじめて自分が何を考えていたかわかる」
もっともっと話す場がほしい。
そんな気持ちが日々沸いてくる。
2017/11/15
関口知宏。
彼ほど電車に乗った人はいない。
2004年の日本最長片道切符12,000キロの旅を終えたあと、
翌年JR全線20,000キロの旅へ。
そのあとドイツ、イギリス、スペイン、ギリシア、
スペイン、トルコを一周。
そして中国一周最長片道36,000キロ、200日の大旅行。
あまりに疲れたのだろう。8年間の「休憩」のあと最近また
オランダ、ベルギー、チェコ、オーストリア、イタリア、
ハンガリー、クロアチア、スウェーデン、ボルトガルも一周している。
最初の日本一周の頃からずっと彼と一緒に旅をしてきた。
食卓でNHKの番組を見ながらでだ。
僕が例によって勝手に親近感を感じるのは、10年前の秋、
北京に彼が電車で到着した日に偶然僕も北京にいた、
というだけではない気がする。
いきあたりばったりで偶然の出会いが続く彼の旅が、
遠い昔の自分の旅を想いださせてくれるからだろう。
そして彼のゆるく、温かく、優しい眼差しが好きだからだろう。
2017/11/14
別冊太陽という本がある。
雑誌サイズで迫力ある大きい写真が満載だが
ハードカバーの写真集ほど「かちっと」はしていない。
そんなちょっとジャケットを羽織って近所に贅沢ランチを
しにいくような本が、本屋の棚で偶然目にとまった。
『別冊太陽 星野道夫』
彼とは27年を超える付き合いだ。
付き合いといっても、勝手にこちらがずっと親近感を
覚えているだけだが、それには理由(ワケ)がある。
彼が執筆中の本の構想を練りながら
アラスカ、フェアバンクスの街を歩いているとき、
偶然同じ日、僕もそこにいた。
そのことを20年後、彼のエッセイを読んで知った。
ひょっとして、あのマイナス25℃の街角ですれちがったかもしれない。
胸が熱くなった。
この別冊太陽、今まで何度か目にしたことのある写真と
ふたたび会えたのも嬉しかったが、
巻末に載る奥様の小エッセイ『旅のつづき』もよかった。
僕もまだ、あの旅のつづきをしている。
2017/11/12
ランチのあと、近くのカフェにはいった。
今日で2度目の訪問だ。
苦みの一番強い表示のある「スーパーアロマ」を希望したところ
品切れで、次に苦いというお薦めの珈琲が出てきた。
四谷のレストラン三国に卸している豆だという。
開店直後でまだ暇そうなマスターが話かけてきた。
「いい珈琲は、砂糖をいれてみるとわかりますよ。
苦みがコクにかわります」
いまこのテーブルに「へぇ」ボタンがあれば続けておしている。
いい珈琲は砂糖を入れずに飲むものだと思っていた。
「安い珈琲に砂糖をいれると、苦みは舌の両側に残って甘いだけ。
でもいい珈琲だとしっかり一つの味になるでしょ」
ひさしぶりに砂糖をいれて一口飲んで驚いた。
うーむ。確かにその通りだ。
ブラックで半分飲んだあとにスティック1本追加だから
標準の倍の甘さのはずだ。しかしそんなに甘さは感じない。
別の味、香りがたっている。
イタリア人がエスプレッソに砂糖をたくさん入れる理由は
これかもしれない。
*SMBカフェ(中野坂上・新中野)
https://bankoku-coffee.jimdo.com/直営カフェ/