2014/06/10
あれだけ置石があったのに・・
こんな下手の心の声が聞こえてきそうな置き碁の終盤戦。
置碁ではしばしば、終盤の最後の最後に上手が逆転、が起こります。
それもそのはず。盤上にある石の比率が、序盤と終盤では全然違うのです。
例えば9子局。1手目を白が打った時点で、盤上は黒石9個、白石1個。
つまり黒石の盤上占有率は90%。
しかし91手目の盤上は、黒54個、白46個で黒石占有率は54%。
終盤の191手目だと、黒104個、白96個で黒石占有率は52%。
そうです。9子局でも終盤はほぼ互先の状態。1手の価値がどんどん終盤に向けて
小さくなるので、上手の逆転の余地は限られますが、それでもそこまでに黒は
かなりの「貯金」をしないとだめなのが分かります。
つまりこんなことが示唆されています。
『量より率に注目!』
さて最近、周囲の同年代、特に女性の「私は内面重視よ」「外見は関係ないわ」
という発言を耳にする機会が増えてきました。
40代も半ば近くなると、こうした声が増えるのは分かりますが、
「外見まったく関係ないとか本当かなー」と思うことあります。
今までは
「本当は少し外見も気にするけど、いつまでもそんなこと言ってるのは
恥ずかしいから体裁考えて・・でしょ」
ぐらいに思っていたのですが、先日ふとこの置碁の法則から、
"教え"が降りてきました。
つまり、体裁を気にしての発言ではなく、
その人の「外見重視の割合」が下がっただけ、
「外見重視の量」は変わってないのでは、ということ。
ではなぜ量はかわってないのに、外見関係ない!となるのでしょう。
人は成長とともに、経験をつんで「選球眼」が成長します。
20代の時に「10」あった選球眼(相手を選ぶときの要素)。
そのうち「9」が外見、「1」が内面だとしましょう。
(この時は、かなりの面食い)
それが30代には選球眼が成長して「20」に増えますが、
外見は1しか増えず合計「10」、内面は9増えて「10」に。
(この時は、バランスよく外見も内面も重視)
40代には選球眼がまた成長して「30」に増えますが、
外見は「10」のまま。内面だけが10増えて「20」に。
こうして自分の中での比率は逆転して内面2:外見1。
(この時は、内面重視に)
しかしここ10数年、増えているのは内面の分だけなので、
外見に対する自意識が薄れてしまい、
「私は外見関係ないわ、内面重視よ」
となるわけです。
どうでしょうか。
勿論これ以外にも「内面重視にはもっと深い理由がある」とは思いますが・・