僕が感じたこの感動は、それを僕が表現しなければ
ほかの誰も感じることができないのです。
片岡鶴太郎の言葉を思い出した。
彼は40歳近くで初めて筆を握ったそうだが、
きっかけは牡丹の美しさに魅せられたからだという。
GW初日、根津美術館で尾形光琳の『燕子花図屏風』に会った。
300年前に光琳が何を感じたのか、背景をいっさいはぶいた
迫力ある大きな屏風を通じて伝わってきた。
毎年この期間に公開しているのには理由がありそうだ。
美術館の広い庭の一角で燕子花が見ごろを迎えていた。
この燕子花を描いたのか。一瞬そう思わせる力がある、
文字通り「絵になる風景」だった。