2018/01/20
以前、鎌倉文学館で鎌倉ゆかりの文豪の直筆原稿を
見る機会があった。
芥川龍之介、夏目漱石、川端康成、与謝野晶子。
どの原稿にも削除、挿入、書き直しなど、
苦闘のあとがはっきり浮き出ていた。
完成原稿でこれだとすれば、没原稿はどれほど
クシャクシャになって部屋を埋めつくしただろう。
書いたものを丸めるとき、頭をよぎるふがいなさ、
口惜しさはいかほどだっただろう。
ふと思う。
100年前の作品がいまだ多くの人に愛されている。
では100年後に今の作品が同じように読まれるだろうか。
名作として評価され読まれる作品の量は限られる。
“入れ替え戦”であの文豪たちに勝てるだろうか。
書くという作業が、パソコンに向かって行うのが
あたりまえになって20年が経った。
いま忘れられつつある「紙に書く」が
名作が輝く理由のひとつだとしよう。
半歩でも近づくためにやるべきことは決まった。
明日から僕も「紙に書く」をもう一度日々の営みに戻そう。
このブログは別として。