2018/10/17
うぉぉっ!
すっとんきょうな声は、扉2枚を通過して
リビングにいたつれにも届いたらしい。
何事かと心配された事態は、盤上、それも
パソコンの画面上で起こっていた。
昨晩、僕は所属していた商社OB会のトーナメントに出場した。
自分が運営する囲碁サイト『石音』で毎月1度の開催。
もう136回も続いている。
準決勝の相手はS七段80歳。いままで25年間も
激闘を繰り返してきた碁敵であり、人生の先輩であり、
同じ囲碁部の仲間でもある。
この日も僕は、自ら編み出した「天空流」という打ち方を駆使して、
終盤には勝勢を築いていた。
あと2、3手で勝利というところで、初心者でも間違えないような
大ポカが飛び出した。
うまくいきかけると油断をする、まさに人生の縮図だ。
これが48年間、どうしても治らない。
『石音』では打った対局が自動保存される。
これは席亭の僕でも消去できない。
そしてとうぶん、記憶も消去できそうにない。
*顔の見える囲碁サイト 石音
http://www.ishioto.jp/