2017/11/14
別冊太陽という本がある。
雑誌サイズで迫力ある大きい写真が満載だが
ハードカバーの写真集ほど「かちっと」はしていない。
そんなちょっとジャケットを羽織って近所に贅沢ランチを
しにいくような本が、本屋の棚で偶然目にとまった。
『別冊太陽 星野道夫』
彼とは27年を超える付き合いだ。
付き合いといっても、勝手にこちらがずっと親近感を
覚えているだけだが、それには理由(ワケ)がある。
彼が執筆中の本の構想を練りながら
アラスカ、フェアバンクスの街を歩いているとき、
偶然同じ日、僕もそこにいた。
そのことを20年後、彼のエッセイを読んで知った。
ひょっとして、あのマイナス25℃の街角ですれちがったかもしれない。
胸が熱くなった。
この別冊太陽、今まで何度か目にしたことのある写真と
ふたたび会えたのも嬉しかったが、
巻末に載る奥様の小エッセイ『旅のつづき』もよかった。
僕もまだ、あの旅のつづきをしている。