2013/11/18
四谷赤坂麹町、チャラチャラ流れるお茶の水。粋な姐(ねえ)ちゃん立ちしょんべん。
ご存じ映画「男はつらいよ」で寅さんが発する口上です。
テキ屋稼業の寅さんは、全国各地のお祭りで、通りがかりの人に次々と声をかけます。
この寅さんから、教え上手になるためのヒントがたくさんもらえます。
寅さんの相手は、たまたまそこを通りがかった人。
その商品に強い関心があったわけではない人。(但し少しは興味をもてる人)
囲碁教え上手の相手は、囲碁熱が「中」以下の人。
少しは関心あるけど、それが強いものではない人。
なんと同じじゃないですか!^^
そして寅さんのゴールは「商品を買ってもらうこと」
教え上手のゴールは「囲碁ファンになってもらうこと」
ジャンルも時間軸も違いますが、「関心が強くない人の心を動かす」点で同じなんです。
そんなわけで、囲碁上手を目指す皆さん、その視点でもう一度寅さんを見てください。
・思わず立ち止まってしまう、笑ってしまう楽しい口上。明るい雰囲気。笑顔笑顔。
・寅さんの商品説明は最小限。その商品がどうしてここに置かれるようになったか、
なぜこんなに安くできるのか、ストーリーを重視。(理性ではなく感情にアプローチ)
・寅さんは1人1人に語りかけ、その人にあわせた口上を。
「ちょっとそこのお兄さん、いまあなたは恋をしてるね」
そしてそこから(ちょっと強引に)ストーリー展開させて商品と結びつける。
このブログの読者の皆さんは、もうお分かりですね。
まずは頭の中の下記等式を一旦解除してくださいー。^^
囲碁教える=ルールを教える=製品説明
寅さんがテキ屋で生きていけるのは、扱う商品に愛情を持っているから、でしょうか。
もちろん、囲碁上手を目指すのに、囲碁への愛情が不要なわけではありません。
しかし、多くの場合その愛情が、囲碁上手への道をふさいでいる現実があります。
相手に応じて、その相手の段階に応じて、演じる力。それが求められています。
次回も、もう少し寅さんにお付き合い頂きましょう。