2017/12/27
湖北の向源寺で国宝の十一面観音に向いあったとき、
解説のお寺の方から伺った話が心に残った。
この観音様は10年ほど前、東博に出品したが
そのときは仏像ではなく、美術品にして出したという。
えっ何が違うの?
僕の疑問に丁寧に答えてくださった。
仏像はお寺から出すことはできない。
だから性根を抜いてから運び出す。
性根を抜くとは仏像の魂を抜くことで、仏像にむかって
お経を読む作法のようだ。それを経て仏像は美術品となり
お寺を出られる。
仏像のお顔や身体を掃除するときも
性根抜きは欠かせないという。
仏像は出来る限りそのお寺で会いたい。
いままでその思いを強くもっていたが、
一つの答えをもらった気がして嬉しくなった。
僕は美術品ではなく仏像に会いたい。