2017/10/18
二度目の井山七冠が誕生した。
将棋の羽生七冠誕生のときを思いだす。
たしか一度目の七冠挑戦を失敗して、そのあと1年、六冠全部防衛して
残る一つの挑戦者になって達成した。
20年前のあの時、劇的なストーリーに激しく心を奪われた。
今回はそれに「ガツン」という衝撃が加わった。
将棋と囲碁ではタイトル数はほぼ同じだが、棋士の数が3倍違うのだ。
将棋も囲碁も関心が薄い妻が言う。
「それって藤井さんの29連勝と比べてどうなの」
それよりは確実に凄いんだ。
井山はこの1年、タイトル戦で同じ29局戦っているけど5敗しかしてない。
同じ29局でも相手のレベルが桁違いだからね。
力説すればするほど、相手に伝わってない感がこちらに伝わってくる。
「でも世間は七冠よりも29連勝のほうがすごいって思ってるわよ。
わかりやすいから」
そう、すごさの伝達はロジックではなく感性なんだ。
そして良質なストーリーも必要だ。
優れた表現者が現れるのを待つことにしよう。