2018/09/23
「明の撮影はカメラボタンではなく動画ボタンをおしているのが
たくさんあったわよ。ピントのあわせかたもいまいちね。
でも昨日は朝早くからありがとう。お父さんもよろこんでいたわ」
母からメッセージが届いた。
僕はもとよりガラケーだ。
スマホデビューしたての母に、上から目線の絶好機を
与えてしまったのが少し悔しい。
焦点はあってなかったかもしれないけど
笑点にはあえたでしょ。
こんな返しだと座布団一枚もらえるだろうか。
昨日、後楽園ホールで『笑点』を3人で観覧した。
当選倍率50倍を勝ち抜き、当日3時間半前から並んで
ダッシュしてとったアリーナ席だったが、父をつれて
ゆっくり入場してきた母が後方でさけぶ。
「こちらの席のほうがいいわよ」
たしかにパイプ椅子で平らな前方より、
やわらかいスタンド席前方のほうが、楽で見やすい。
おいおい、僕の3時間は何だったんだ。一瞬頭をよぎったが、
すぐ気持ちをきりかえてガラガラの後方に陣取る。
普段の放送は半分ぐらいカットされているのがわかった。
いつもより長い大喜利2本分も、笑っていたらあっという間だった。
「一生に一度は見る価値があるな」
帰り際、父らしい感想があった。
好みの焦点はあっていたようだ。